FOMAが自宅の内線に〜FOMAネットワークIP化構想

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040303-00000003-zdn_m-sci

 外では携帯電話だが、自宅やオフィスに戻ったら内線電話としてFOMAを使える──。ドコモが進めるネットワークIP化によって、2005年にはこんなことが実現するかもしれない。

 ドコモは現在のATMを使ったFOMAネットワークを徐々にIP化していく計画だ。3月1日付で「IPコアネットワーク開発部」と「IP無線ネットワーク開発部」の2つを中心に研究開発組織を改変し、IP化を進めている。

 2004年にはコアネットワークのパケット交換機(Packet Switch:PS)をIP化し、2005年には回線交換機(Circuit Switch:CS)と共に無線アクセスネットワーク部分(Radio Access Network:RAN)もトランスポート層のIP化を行う予定だ。

“IP化自体”が目的ではなくFOMAの抜本的経済化目指す

 FOMAネットワークは、これまで「高品質ながらメニューが限定」(ドコモ)されたATMネットワークをベースとしてきた。これをIPに置き換えていくことで安価かつ柔軟なネットワークを構築していく。

 目的はFOMAネットワークの抜本的な経済化だ。特に、現在課題となっている屋内・ビル内の集中トラフィックを安価にカバーするためにIP化に期待している。「屋内をいかに経済的にカバーするか。激安IMCSを実現できないか。まずは屋内をターゲットとする」

 RNC基地局間をIP化することで、例えば「社内のLANに基地局を接続する」ことも可能になる。試作したIPベースの基地局イーサネットポートが付いており、これを社内LANに接続。LANとドコモのRNCをIPで接続することで、配線コストなどを節約した“激安IMCS”が実現できる。

 さらに社内LAN内に「内線サーバ」を置くことで、社内LAN内の内線システムとしてFOMAを利用することもできる。FOMA基地局〜社内LAN〜内線サーバ〜社内LAN〜基地局FOMA、という流れだ。基地局FOMA間は従来通りのW-CDMA無線ネットワークを使うため、特別なFOMA端末は必要ない。

 従来のATMネットワークではこのように内線サーバで折り返す処理が行えなかったが、IPベースのネットワークではアドレスの付け替えなどで柔軟な対応が可能だという。

 現状、携帯電話サービスは「通信経路を自分で引くのが前提」となっており、ユーザーのLANを使ってドコモのサービスを提供するのは制度上の課題がある。しかし技術的には可能であり、従来企業内の内線システムとして使われることのあったPHSに代わるシステムとしても期待される。

 ちなみに、ドコモは無線LANを内蔵したFOMA端末を開発しているが、RANのIP化はあくまでトランスポート層に留まっている。無線部分のIP化は最終目標としては存在しても、現在のところ連携はしていない。現状は2005年に向けて、IPベースの基地局の小型化を進めている。

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